学科概要
学科の特徴
平成30年4月、九州工業大学に日本初となる宇宙に特化した専門学科、宇宙システム工学科が誕生しました。
近年、宇宙に関する研究・開発・利用は、多岐にわたるとともに、急速に発展しています。例えば、通信・放送・気象観測等の実用衛星は、今や私たちの生活になくてはならないものになっています。また、宇宙のさまざまな謎を解明することを目的とする多数の科学衛星や探査機が活躍しています。
宇宙システムは、主に、宇宙空間を飛行する人工衛星や探査機などの宇宙機、地上から宇宙空間に人や物を輸送するロケット、人工衛星等とデータをやりとりする地上局の3つからなります。非常にたくさんの要素が絡み合い、目的を達成するためにそれらを組み合わせて「システム」として、宇宙空間という修理の効かない過酷な環境で確実に動かすことが必要です。
宇宙システム工学は、航空宇宙システム工学とは異なり、宇宙空間を使った様々な利用(気象観測や通信、科学観測など)や宇宙探査を実現するために必要な宇宙機、ロケット、地上局に関わる工学的な課題を解決するための学問です。そのため、材料力学、熱力学、機械力学、流体力学といった機械系分野の学問だけではなく、電気回路、電磁気学、半導体、信号処理、電波工学といった電気電子分野の学問も同じく必要とされ、宇宙科学、情報処理、材料、化学などといった分野も融合した「総合工学」としてとらえられています。
宇宙システム工学科は、機械系科目と宇宙特有科目を学ぶ機械宇宙システム工学コース(工学2類と5類から進学可能)と電気電子系科目と宇宙特有科目を学ぶ電気宇宙システム工学コース(工学3類と5類から進学可能)に分かれています。卒業研究ではコースの区別なく学生を研究室に配属し、大学院では「宇宙システム工学コース」として機械・電気の違いなく一体で教育を行っています。
宇宙システム工学科では、人工衛星やロケットなどの宇宙システムをはじめとして、さまざまな分野における複雑な工学システムの創成、研究開発、製造、運用を担える高度技術者・研究者の養成を目指しており、次世代の宇宙開発・利用を担いたいと思う皆さんに、ホンモノの宇宙を学ぶ場を提供します。
機械宇宙システム工学コースは、工学2類と5類から進学可能
電気宇宙システム工学コースは、工学3類と5類から進学可能